こんにちは。家を建てる.com、運営者の「北条」です。
多くの方にとって一生に一度であろう大きな買い物、それが注文住宅です。検討を進めていくと必ずと言っていいほど候補に上がるのが日本を代表するハウスメーカー、積水ハウスとセキスイハイムではないでしょうか。
名前が似ているので「同じグループ会社?」と思われがちですが、実はその家づくりの哲学や構造、価格設定の考え方は全くの別物なのです。
そして家づくりを検討中の方が最も頭を悩ませるのが、積水ハウスとセキスイハイムのどちらが高いのかという予算の問題でしょう。
ネットで検索すれば坪単価や値引き、キャンペーンの情報が山ほど出てきますが、実際のところ総額で見るとどっちがお得なのか?最新の価格推移はどうなっているのか?など、判断するのは非常に難しいですよね。
また、家は建てて終わりではありません。断熱性能や耐震といった住宅性能の評判、さらには住んでから気づく後悔のポイントなど、実際のオーナーさんのブログ等を読み漁っている方も多いでしょう。
高額な買い物だからこそ、自分たちの選択が「安物買いの銭失い」にも「無駄な高値掴み」にもならないよう、納得できる根拠が欲しいものです。
この記事では、私が調べ尽くした両社の価格差の理由や、30年後を見据えたメンテナンスコストまで含めた本当の価値について、深掘りして詳しくお伝えします。読み終える頃にはあなたがどちらのメーカーを選ぶべきか、その答えが見えてくるでしょう。
【この記事でわかること】
- 積水ハウスとセキスイハイムの坪単価のリアルな相場と最新の価格変動
- 工法の違いが初期費用だけでなく将来のメンテナンス費に与える決定的な影響
- 全館空調や太陽光発電などの先進設備が最終的な見積もり総額を逆転させるカラクリ
- 実際の失敗事例から学ぶ後悔しないためのコンセント配置や配線計画の極意
積水ハウスとセキスイハイムのどちらが高いか坪単価で比較
まずは、誰もが最初に気になる「坪単価」という物差しを使って、両社の建築費用の違いを明らかにしていきましょう。ただし、坪単価という数字はあくまで一つの側面に過ぎません。なぜその価格差が生まれるのか、その「中身」についても詳しく解説します。
坪単価の相場や最新の価格推移による建築費用の差
家づくりを検討し始めて真っ先にチェックするのが坪単価かと思います。ハウスメーカーのランクを判断する上で非常に分かりやすい指標ですが、実はこれ、メーカーによって「何を含んでいるか」がバラバラで非常に厄介な数字でもあります。
一般的に市場で言われている目安としては、積水ハウスの坪単価が90万円から130万円ほど、一方でセキスイハイムが80万円から110万円ほどがボリュームゾーンとされています。
この数字だけを見ると、積水ハウスの方が1割から2割ほど高く設定されていることが分かりますね。しかし直近の動向を調査したところ、昨今の社会情勢によりこの価格感も大きく様変わりしているようです。
まず、2021年頃から始まったウッドショックや鉄鋼、半導体の不足による資材高騰、そして物流費や人件費の上昇がハウスメーカーの最新の価格推移に直撃しています。数年前のブログ記事の「坪70万円で建てられた」という情報を見かけても、残念ながら今の市場には当てはまりません。
特に積水ハウスは高級路線をさらに強化しており、フラッグシップモデルや富裕層向けの邸宅では、今や坪単価が150万円を超えるケースも珍しくありません。
坪単価で比較する際の注意点として、積水ハウスは「邸別自由設計」のため、凝ったデザインや変形地への対応で価格が跳ね上がりやすい傾向があります。逆にセキスイハイムは工場生産の規格がベースにあるため、その枠内に収まれば価格を一定に抑えやすいという特徴があります。
セキスイハイムに関しても、かつては「ユニット工法で安価」というイメージを持つ人もいましたが、現在はZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)対応の標準化や高性能な蓄電池の搭載によって、ベース価格が大きく底上げされています。
さらに、都市部での狭小地建築や道路付けの悪い土地では、大型クレーンの搬入や特殊な輸送費が必要になり、セキスイハイムであっても他社を上回る見積もりが出てくることもあります。
結論として、初期の提示価格(本体工事費ベース)においては、積水ハウスの方がセキスイハイムよりも坪単価で10万円から20万円ほど高いというのが現在の標準的な状況です。
ただし、セキスイハイムは定期的に強力なキャンペーンを打ち出すため、タイミングによってはこの差がさらに広がることも、逆に設備を盛ることで縮まることもあるのです。
断熱性や耐震性能の高さが本体価格に与える影響
価格が高いということはそれだけ高品質な材料や高度な技術が注ぎ込まれていることを意味しますが、積水ハウスとセキスイハイムでそれぞれの性能がどのように価格へ反映されているのかというと、特に近年、重要視されているのが「断熱性能」と「耐震性能」です。
積水ハウスの場合、鉄骨造であれば独自の制震フレーム「シーカス」が、木造(シャーウッド)であれば高い耐震性とデザインの自由度を両立するモノコック構造やラーメン構造が価格の一部になっています。
積水ハウスが高い理由は単に部材が良いだけでなく、その土地の気候や地盤に合わせて一邸ごとに緻密な構造計算を行う「手間」が含まれているからです。この「個別対応の精緻さ」が本体価格を押し上げる一因となっています。
一方、セキスイハイムの代名詞ともいえるのが「断熱」と「気密」の高さです。工場で建物の8割を組み立てるユニット工法は現場での施工ミスが極めて少なく、非常に高い気密性能(C値)を安定して発揮できます。
特に木造の「グランツーユー」シリーズは、北海道などの寒冷地でも通用するレベルの断熱性能を誇ります。この「工場品質の安心感」がハイムの価格の本質と言えるでしょう。
詳細な性能向上によるコストの変化については、こちらの「積水ハウスの断熱材グレードアップに関する記事」もぜひチェックしてみてください。断熱材の厚みを増したりサッシをより高性能な樹脂サッシに変更したりするだけで、数十万円単位で価格が動くことがおわかりいただけるでしょう。
住宅性能表示制度と価格の関係
両社とも「長期優良住宅」の認定を標準で受けられるレベルの性能を持っていますが、この認定を受けるための申請費用や、耐震等級3・断熱等性能等級6以上といった高いハードルをクリアするための部材費も、ローコストメーカーとは一線を画す価格設定の理由です。
結局のところ、積水ハウスは「どんな要望でも安全に叶えるための設計自由度」にお金を払い、セキスイハイムは「工場生産による圧倒的なスペックの安定」にお金を払うという構造になっています。
夏涼しく冬暖かい暮らしを徹底した数値管理で手に入れたいならハイムの価格設定は非常に合理的に映るはずですし、こだわりの間取りで高い安全性を確保したいなら積水ハウスの価格は妥当な投資と言えるでしょう。
鉄骨と木造の工法の違いから見る標準仕様の評判
さて、次に目を向けるべきは「標準仕様」の充実度です。見積もり比較をする際、「標準でどこまで付いているか」を確認しないと、後からオプション地獄に陥って予算オーバーになるのが注文住宅の怖いところです。
積水ハウスの評判を支える最大の武器は、その外装材にあります。鉄骨用の「ダインコンクリート」や木造シャーウッド用の陶版外壁「ベルバーン」は、その圧倒的な質感と耐久性で知られています。
特にベルバーンは焼き物ならではの深みがあり、何十年経っても色褪せないため、「これを使いたいから積水ハウスに決めた」というファンが非常に多い仕様です。ただし、これらの外壁材は他社の標準的なサイディングに比べて極めて高価であり、それが初期費用を押し上げる要因のひとつとなっています。
一方でセキスイハイムの標準仕様として人気なのは、工場で精密に貼り付けられる「磁器タイル」です。剥離のリスクが非常に低く、メンテナンスフリーを謳うこの外壁は、見た目の美しさと将来の修繕費削減を両立しています。
| 比較項目 | 積水ハウス(鉄骨・木造) | セキスイハイム(鉄骨・木造) |
|---|---|---|
| 主力工法 | 邸別自由設計(現場施工寄り) | ユニット工法(工場生産80%以上) |
| 外装の強み | ダインコンクリート、ベルバーン | 磁器タイル、ステンレス屋根 |
| 空調の評価 | スマート・エアーズ(各階制御) | 快適エアリー(床下冷暖房) |
| 工期の目安 | 3.5ヶ月~5ヶ月程度 | 2ヶ月~3ヶ月程度(据付は最短1日) |
| デザイン性 | 非常に高く、邸宅感が強い | ユニット特有の箱型、機能美重視 |
工法の違いは単なる好みの問題だけでなく、経済的なメリットにも影響します。セキスイハイムは工場生産率が高いため現場での工期が劇的に短く、着工から引き渡しまでの期間が積水ハウスより1〜2ヶ月ほど短くなるのが一般的です。
これは今の家と新しい家の「二重家賃(または住宅ローンとの二重払い)」を減らすことに直結するため、数十万円単位の節約効果をもたらすこともあります。
また、セキスイハイムの標準仕様には「快適エアリー」などの全館空調が含まれた提案がなされることが多いのに対し、積水ハウスは施主の好みに応じてゼロから積み上げていくスタイルです。
評判が良いからといって積水の高級部材をあれこれ選んでいくと、あっという間にセキスイハイムとの価格差が開いてしまうのが、この両社を比較する際に意識したい特徴です。
邸別自由設計とユニット工法の生産コストの構造
「なぜ積水ハウスはあんなに高いのか?」その答えは、彼らの生産プロセスそのものにあります。積水ハウスが誇る「邸別自由設計」は、文字通りお客様一人ひとりのためにゼロから図面を引き、専用の部材を調達し、熟練の職人が現場で作り上げる仕組みです。
このプロセスには膨大なコストがかかります。まず、社内の厳しい試験を突破した「チーフアーキテクト」などのエリート設計士や経験豊富な現場監督、そして彼らの仕事を支える高い人件費です。
積水ハウスの価格には、あなたの土地を最大限に活かし理想を形にするための「コンサルティング料」と、それを確実に実現する「高度な施工管理費」が含まれているのです。ブランド料と揶揄されることもありますが、累積建築戸数世界一という実績に裏打ちされた安心感を買っているとも言えます。
対するセキスイハイムは、まるで自動車を作るように家を工場で作る「ユニット工法」という真逆のアプローチを採っています。徹底したオートメーション化により、現場での人件費や廃材を極限までカットしているのです。
また、天候に左右されない工場内で作業を行うことで材料の劣化を防ぐという、無駄なロスを徹底的に排除した合理的な生産コスト構造を持っています。
端的に言うと、積水ハウスの価格は一点物の「芸術作品」をオーダーするコスト。セキスイハイムの価格は高性能な「プロダクト(製品)」を安定して手に入れるためのコストです。
この違いは、こだわりが強い施主ほど積水ハウスを「妥当」と感じ、コストパフォーマンスと品質の安定を求める施主ほどセキスイハイムを「合理的」と感じる結果を生みます。
例えば、セキスイハイムではユニットの「箱」を組み合わせるという性質上、極端な斜めの壁や、ユニットの柱を抜いた大空間を作るのには高額な補強コストがかかるか、そもそも不可能な場合があります。
一方、積水ハウスはそのような「規格外」の要望にも柔軟に応えられるため、その自由度こそが高い単価の裏付けとなっているのです。
全館空調などの設備による見積もり総額の変動
さて、ここまでの話で「積水ハウスは高く、セキスイハイムは比較的安い」というイメージを持たれたかもしれませんが、最終的な見積もり総額を見ると、その差が逆転するケースが少なくありません。これこそが注文住宅の価格比較で最も注意すべきポイントです。
その鍵を握るのが、全館空調「快適エアリー」を代表とする先進設備の存在です。セキスイハイムの提案は、最初から快適エアリー、太陽光発電システム、蓄電池、さらには高品質な磁器タイル外壁をセットにした「フル装備」に近い形で提示されることが多いのですが、これらの設備は合計すると軽く500万円以上の価値があります。
一方、積水ハウスの見積もりは、当初は標準的なエアコン仕様や一般的な外壁材で算出されていることがあり、初期段階ではセキスイハイムより安く見えることさえあります。
しかし、ここからが「積水マジック」のはじまりです。「せっかく積水で建てるならベルバーンにしたい」「全館空調も入れたい」「大きな窓がいい」と要望を追加していくたびに、見積もり額は数百万単位で跳ね上がっていくのです。
最終支払額で差がつくポイント
セキスイハイムのようなユニット工法は、設備を工場でパッケージ化して組み込むため、個別にオプションとして追加するよりもスケールメリットが効いて安く導入できる仕組みがあります。
逆に積水ハウスで同等のフル装備(例えば、天井埋込型の全館空調『スマート・エアーズ』など)を実現しようとすると、設計の自由度が高い分、ダクトの取り回しや施工に手間がかかり、ハイムよりも割高になるのが通例です。
結局のところ、「標準的な家」で比べるならセキスイハイムが安いけど、「フルスペックの高性能住宅」にした場合は積水ハウスの方が圧倒的に高くつくというのが、多くの先輩施主たちが口を揃えて言う見積もりのリアルな実態です。
本体価格だけでなく、自分が求める「暮らしの質」を揃えた状態で比較することが、どちらが高いかを判断する唯一の方法といえるでしょう。
積水ハウスとセキスイハイムのどちらが高いかを維持費で検証
家づくりにおいて、建築費という「出口」の価格だけを見て判断するのは非常に危険です。むしろ、住み始めてから30年、50年という長い月日の中で発生する「維持費(ランニングコスト)」こそ、家計の本当の負担を左右します。
ここからは、将来の財布に優しい家はどちらなのか、多角的に検証していきましょう。
30年後のメンテナンスコストや維持費のトータル
家を建ててから数十年後、一体どれだけのメンテナンス費用がかかるのかを想像したことはありますか?大手ハウスメーカーはどこも「長期保証」を謳っていますが、その多くは「自社指定の有料点検・補修を受けること」が保証継続の条件となっています。
つまり、維持費を払い続けなければ保証も切れてしまうという、ある種のサブスクリプション的な構造があるのです。
積水ハウスの「ベルバーン」や「ダインコンクリート」は素材自体の耐久性は抜群で、基本的には塗り替えの必要がありません。
しかし、部材同士を繋ぎ合わせる「シーリング(目地)」は紫外線で劣化するため、一般的には30年サイクルなどで打ち替えが必要になります。このシーリングの総延長は非常に長いため、足場代と合わせて100万円単位の出費になることもあります。
対するセキスイハイムは磁器タイルの外壁に加えて、独自の「ガスケット」という定型目地を使用しているのが大きな特徴です。これは従来のシーリング材よりもはるかに高耐久で、かつ現場作業の品質に左右されにくいというメリットがあります。
また、屋根に「ステンレス屋根」を標準採用しているモデルも多く、再塗装や葺き替えのリスクが極めて低い点も、将来のコスト削減に寄与します。
注意点としては、全館空調などの大型機械の故障や更新費用があります。15年〜20年程度で本体の交換が必要になった際、セキスイハイムの「快適エアリー」のような床下一体型の大規模システムは一般的なルームエアコン数台の買い替え費用に比べて、工事費を含めると数十万円単位で高額になるリスクがあります。
メンテナンス費用のリアルな内訳やシミュレーションについては、ハウスメーカーの保証とメンテナンス費用の実態についての記事もチェックしてみてください。初期費用でセキスイハイムが100万円高くても、30年間のメンテナンス費で200万円安く済めば、トータルではハイムの方が「安い家」になるのです。
太陽光発電による光熱費の削減効果と投資回収率
維持費の中でも、毎月口座から引かれていく「光熱費」は最も実感が湧きやすいコストですが、ここで他社を圧倒する強みを持つのがセキスイハイムです。
ハイムの家はフラットルーフ(陸屋根)が多いのですが、これには屋根面積を最大限に活かして「大量の太陽光パネル」を載せるためという理由があるのです。
一般的な戸建てでは3〜5kW程度の搭載が平均的ですが、セキスイハイムなら10kWを超える、まるで「小さな発電所」のような大容量を載せることも可能です。
大容量のパネルで発電し、それを大容量の蓄電池に貯めて使う「エネルギー自給自足」の生活ができれば、高騰する電気代の影響を最小限に抑えられます。
積水ハウスもZEHには非常に積極的ですが、デザイン性を重視して勾配屋根(寄棟や切妻)にする場合、パネルの向きや搭載量が制限され、ハイムほどの発電メリットを得にくいことがあります。
初期の建築費でセキスイハイムに200万円余計に払ったとしても、年間20万円の光熱費削減ができれば10年で元が取れ、それ以降の20年、30年はすべて「利益」となります。
この投資回収の視点を持つと、どちらが高いかという議論の景色がガラリと変わるはずです。
キャンペーン値引きや価格交渉を成功させるコツ
どんなに性能が良くても、できれば1円でも安く建てたいというのが本音でしょう。そこで重要になるのが「値引き交渉」です。積水ハウスとセキスイハイム、どちらも値引きの文化はありますが、その引き出し方は全く違います。
セキスイハイムの場合、工場の稼働率を一定に保つという経営上の理由があるため、特定の時期(決算期やキャンペーン期間)の値引きがかなり強力です。特筆すべきは「リユースハイム」という展示場の家を抽選で格安販売するキャンペーンで、これに当たれば大手メーカーの家を破格の値段で手に入れられます。
また、通常の商談でも「今日決めてくれれば〇〇万円引きます」といった、即決を促す直接的な値引きが出やすい傾向にあります。
対する積水ハウスは「安売りをしない」というブランドプライドが非常に高く、営業マンの一存で数百万円を引くようなことは稀です。
それでも交渉を有利に進めるには、紹介制度(オーナー紹介割引)や、勤務先の企業が提携している「法人割引」などを活用するのが王道です。これらは数%の割引が確約されるため、建築費が大きい分、数十万円から百万単位の大きな割引効果を生みます。
そして最も有効な交渉術は「同じ条件で相見積もりを取ること」です。セキスイハイムの営業マンに「積水さんのデザインも捨てがたいが、ハイムさんの光熱費メリットも魅力。価格差が縮まるなら……」と投げかけるのは、交渉の常套手段と言えます。
ただし、値引きを追求しすぎて仕様を下げられては意味がありません。大切なのは「ただ安くさせること」ではなく、「同じ予算でより価値の高い家にすること」であることを忘れないようにしましょう。
ちなみに、当サイト経由でも「積水ハウスのオーナー紹介による割引サポート」へのお申し込みが可能です。興味のある方はこちら「積水ハウスの家づくりで後悔したくない方へ」をご覧ください。
実際のオーナーのブログから学ぶ後悔や失敗の事例
家づくりにおいて最も高くつくコストは「やり直し」や「住み始めてからの不満」です。私が多くの施主さんのブログを読む中で見えてきた、両社の特徴に根ざしたリアルな後悔の事例をご紹介しましょう。
あるセキスイハイムのオーナーさんは、電気自動車(EV)用コンセントの配置で「一生の後悔」をしています。将来を見越してコンセント自体は設置したものの、ガレージの外側の壁に付けてしまったため、いざ電気自動車を購入して充電しようとすると、ガレージのシャッターを少し開けた状態でケーブルを通さなければならず、防犯上も見た目も非常に悪くなってしまったそうです。
ユニット工法の「リフォーム難易度」という盲点
「それなら後からガレージの中に増設すればいい」と思うかもしれませんが、ここがセキスイハイムの注意点です。
工場で壁の中に配線を仕込んで出荷されるユニット工法は、完成した後の「隠蔽配線(壁の中に線を通すこと)」が非常に難しく、増設費用が積水ハウスのような工法に比べて数倍に跳ね上がるか、見栄えの悪い「露出配線(モール施工)」を強いられることになります。
この事例が教えてくれるのは、「設計段階での丁寧なコンサルティングがいかに重要か」ということです。積水ハウスが高いと言われる理由の一つは、一邸ごとにじっくりと時間をかけて生活動線をシミュレーションし、こうした「未来の不便」を未然に防ぐ設計提案料が含まれているからです。
ハイムの規格化された提案で安く建てたとしても、こうした細かな配慮が漏れて将来追加のリフォーム代を払うことになれば、結局は高くつくというリスクがあるのです。
初期費用をケチって使い勝手を損なうのは、注文住宅で最も避けるべき後悔です。設計担当者の提案力を見極めることも、トータルコストを抑えるためには不可欠な視点と言えるでしょう。
将来のリフォームやリセールバリューの資産価値
最後に、30年後や50年後、その家を手放したり子供に譲ったりする際の「資産価値」についてお話しします。注文住宅の費用を考える上で、この「出口戦略」は非常に重要です。
積水ハウスとセキスイハイム、どちらも日本屈指のトップメーカーですから、ブランド力は申し分ありません。「スムストック」という大手ハウスメーカー10社による優良ストック住宅制度の対象となっており、一般の住宅が築20年で建物評価がほぼゼロになるのに対し、これらの家は適切にメンテナンスされていれば数百万、時には一千万円以上の建物価値が認められ続けます。
特に積水ハウスの邸別自由設計の家は、その外観の重厚感やデザインの普遍性から、中古住宅市場でも「指名買い」が入るほどの人気を誇ります。「積水ハウスで建てた」という事実だけで、売却時の価格が他社より高めに設定できるケースも多いのです。
建築費が500万円高くても、30年後に500万円高く売れるのであれば、その間の居住コストは実質無料です。これが資産として家を持つことの本当の意味です。
ただし、将来の「可変性(リフォームのしやすさ)」という点では差が出ます。積水ハウスは構造の自由度が高く、将来の家族構成の変化に合わせて壁を取り払ったり、間取りを大きく変えたりしやすい構造です。
一方、セキスイハイムはユニットの柱や梁を動かすことが難しいため、劇的なリノベーションには制約が生じる場合があります。この「将来的に何でもできる自由」への保険料が、積水ハウスの単価の高さに含まれていると考えることもできるでしょう。
積水ハウスとセキスイハイムのどちらが高いかについて総括
長らくお付き合いいただきましたが、結局のところ積水ハウスとセキスイハイムのどちらが高いか?という問いに対する結論は、以下の通りです。
「建築費の額面」だけで比較すれば、積水ハウスの方が1割から2割ほど高いのが一般的であり、これは、一人ひとりの土地と暮らしに寄り添う「邸別自由設計」の手間、そして「ベルバーン」などの高級部材がもたらす唯一無二の価値に対する対価です。
しかし、セキスイハイムが得意とする「先進設備のフル装備」や「大容量の太陽光発電」を積水ハウスで同等に実現しようとすれば、その価格差は一気に広がり、積水ハウスが圧倒的に高額になります。
逆に、30年以上の長いスパンでの「光熱費」や「メンテナンス費用」といった維持費を含めたトータルコスト(ライフサイクルコスト)で考えれば、工場品質で高い耐久性を持ち、エネルギー自給自足が得意なセキスイハイムの方が、家計にとって経済的なメリットが出る可能性が高いと言えます。
- 唯一無二のデザイン、こだわりの間取り、所有するステータスを重視するなら、高くても「積水ハウス」
- 安定した高品質、冬暖かく夏涼しいスペック、将来の光熱費メリットを重視するなら、合理的な「セキスイハイム」
- 「建築費の安さ」と「生涯コストの安さ」は別物であることを肝に銘じる
どちらが高いかという表面的な数字も大切ですが、一番重要なのは「その価格差が自分たちのこれからの数十年間の暮らしに見合っているか」という納得感です。
まずは両社の展示場に行き、同じ条件で見積もりを依頼して、自分たちの価値観にフィットするのはどちらなのか、その「答え」を肌で感じるところから始めてみてはいかがでしょうか。
※記載した数値や坪単価はあくまで一般的な市場データに基づく目安であり、実際の価格は建築地や最新の社会情勢、キャンペーン、個別仕様によって大きく変動します。最新の正確な情報を知るためには、必ず各メーカーの公式サイトから最新カタログを請求し、個別の見積もりを依頼することをおすすめします。最終的な判断は、ご自身の責任においてプロと相談しながら進めてください。










